2008年7月22日 (火)

聖人カン・ケイ師の教え#2~ 二岡選手と山本モナ

師は炎天下の野球観戦がお好きだ。
弟子たちは「師は苦行されているのだ」と噂しているが、どうやら師が以前されていた仕事に関係があるようだ。

この日も師は弟子数人をお連れになって、炎天下の野球観戦に出かけられた。
師は玉の汗をかき、うっすらと微笑みながら、フィールドのボールを目で追っておられる。

弟子の一人が師に問うた。
「師はどちらのチームを応援されているのですか?」
師は質問の意味が分からないというようなお顔をされ、「私は野球を観ているのであって、応援しているのではない」とお答えになった。
「けれども、どちらかのチームに肩入れをしなかったら、面白くないのではありませんか?」
「面白い?私は充分楽しんでいる」
「しかし・・・」
師はセンターポールに翻る日章旗のその先を見るような目をされて、口を開かれた。
「あなたは、試合の結果が気になるのですね」
「はい。私はオレンジ色のチームのファンなのです」
「大切なのは、結果ではありません。人には避けられない運命があります。どんな人にも等しくやってくる結果とは何だと思いますか」
「・・・死・・・でしょうか」
「そうです。オレンジのチームが勝っても、ブルーのチームが勝っても、それはどうでもいいことです。その過程にこそ面白さがあるのです」
弟子たちは師の深遠なお言葉にひれ伏すような心持ちだった。

「モナオカー」という野次が聞こえた。
師の耳にも届いたようである。
師は弟子の一人に訊いた。
「今の選手は二岡という選手ではありませんか?なぜモナオカと呼ばれるのでしょうか?」
弟子の一人が二岡選手と山本モナというタレントの醜聞を師のお耳に入れると、師は不機嫌そうな表情をされた。

弟子の一人がこの醜聞について、師に問うた。
側近の一人が「そのようなことに師はお答えになりません」と制したが、師は鷹揚にうなづきながら、お言葉を発せられた。
「二岡選手は繁殖の機会を得ようとしただけである。それは当たり前のことで、責められるべきことではない」
「それでは・・・」弟子の一人が師に問うた。
「悪いのは山本モナなのでしょうか?」
「男は種を蒔きたがる。どの男の種を宿すかは、女の判断にゆだねられている。女は生き残る種を選別するという役目があるから、強い男の種を宿そうと思うのは、責められるべきことではない」
弟子の一人が憤慨したような調子で師に迫った。
「二岡選手は妻帯者であり、山本モナはキャスターという立場です。ふしだらなのではないでしょうか」

野球の試合はまだ途中であったが、師は立ち上がった。
深いため息をついて、師はおっしゃった。
「人は増えすぎたのかもしれない・・・」

帰途、師は側近と弟子に今日の師のお言葉が、師の奥様に伝わることのないようにすることを厳しく命じられた。

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2008年5月30日 (金)

聖人 カン・ケイ師の教え#1~男と女

聖人カン・ケイ師は、示唆に富んだ話を終えると、厳かに私たちに語りかけた。
「悩めるものたちよ、汝らは幸いである」
畏れ多くも師は、私たちの悩みを聞いて下さるというのだ。

風采の上がらない男が立ち上がって、師に問うた。
「師 よ、私の女房は、私の稼ぎが悪いのでパートに出ていましたが、今ではパート先の役員になり、私よりもうんと稼ぐようになりました。最近は、稼ぎの悪い私を 馬鹿にするようになり、家事を一切しなくなりました。文句を言うと、あなたがいなくなっても何も困らないなどと悪態をつきます。私はどうすればいいので しょうか」

師は瞑っていた目をピクリと動かし、憂いに満ちた声でおっしゃった。
「男は種を蒔くものである。女は育むものである。女は留まるものだが、男は留まるものではない」

師の言葉があまりにも深長なので、男が戸惑った顔をしていると、師の側近、ヒゲ・デイブが男を諭すように言った。
「去れ!と師はおっしゃっているのだ。妻に必要とされなくなったあなたは幸いである。そこから立ち去り、新たな種を蒔きなさい」

「しかし、私には仕事があります。それに・・・妻と子供を愛しているのです」
男が訴えると、再び師は口を開いた。

「愛情は女と子供のもので、男のものではない。女は生まれながらに祝福されているが、男は生まれながらに荷物を背負っている」
師は少し苛立ったようにお言葉を述べられ、一呼吸置いて、思い直したように続けられた。
「無意識と運命には逆らえないものだ。あなたは支配されているのだ」

師のお言葉は、師の側近ヒゲ・デイブにも理解ができなかった。
しかし、ヒゲ・デイブは、深くうなづいて見せて、「あなたは幻を見ているに過ぎない。それに気づきなさい」と適当な解説を加えた。

一同はあまりにも深い二人の言葉に声にならない感嘆の声をあげ、ひれ伏した。

師はヒゲ・デイブを見て、満足そうにうなづき、悩める男に祝福を与えられた。
それから、奥方に持たされた弁当を取り出して、召し上がった。
師は野菜がお嫌いであったが、最近太り始めた師の健康を慮った奥方は、弁当に牛蒡サラダを入れたようだった。
師は顔をしかめて弁当を召し上がると、皆を見回して、何か言いたそうな顔をされた。
皆が緊張して、師のお言葉を息を呑んで待っていると、師は長い放屁をされ、立ち上がって、次の間に退出された。
牛蒡が師の胃腸に作用したようである。そして、満腹になった師は眠くなられたようである。

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