東京都議選の歴史的敗北を受けて、地方選と国政は別だと言いながら、麻生首相は、「麻生降ろし」を封じる目的で、13日、衆院解散、総選挙の日程を発表した。
解
散の時期については、「しかるべき時期に私が判断する」と言い続けてきた麻生首相だけれども、自民党にとっての「しかるべき時期」は、後から思えば、麻生
首相就任直後であって、麻生首相が決断を先延ばししたために、追い込まれに追い込まれた上で、任期満了選挙になってしまったような格好だ。
党
内支持基盤が頼りない麻生首相の頼みは、国民の人気であったわけだけれども、漢字が読めないことが露呈してしまってから、頼りの人気を失い、人気を失った
ことで党内求心力を失った。さらに側近と頼りにしていた人たちの不祥事でますます窮地に陥った。民主党・小沢代表の辞任で少しばかり支持率は回復したけれ
ども、再び周りに足を引っ張られて人気を失うと、(マスコミを含む)外野は一段とうるさくなり、風に左右される軽い人たちが騒ぎ出すのは仕方がないにして
も、重鎮たちまでもが浮き足立ってしまったことで、支持基盤が揺らぎ、指導力を発揮する機会も奪われてしまった。
14日午後、「選挙のことはオレに任せておけ」と自ら名乗り出て、新しい役職までこさえて就任した実力者・古賀選挙対策委員長が責任を追及する動きにキレて辞任した。選挙日程が決まってからだから、安倍、福田につながる「投げ出し」と言われても仕方がない。
麻生首相は、昨年9月、福田首相・自民党総裁が辞任したために行われた自民党総裁選で2/3以上の票を得て、自民党総裁に選ばれ、首相に就任した。
こ
のときに麻生首相を選んでいるのだから、今さらつべこべ言うべきでないという人がいる。それは正論だと思うけれど、当時麻生さんに投票した人たちは、その
時点での選挙の顔として麻生さんを選んだわけであって、解散総選挙は間近であるという前提に立っていた。自信家の麻生さんが、「オレがやれば、この先、
もっといい状況が作れる。しかるべきときはまだ先だ」と解散を先に延ばしてしまった上に、状況は好転するどころか悪化しているのだから、その前提は崩れて
いると言ってよい。当時、人気があったように見えた麻生さんの人気は今や地に落ちていて、今度の選挙は、負けることがほぼ確実になっているわけで、選挙
後、麻生さん以外の人が自民党総裁になることは確実なのだから、私は、むしろ麻生さんを総裁にいただいたまま選挙をするのは、どうかと思う。新たなテーゼ
を国民に示すべきだ。
総裁が解散総選挙を決めたのに、自民党はまだマニュフェストを作成できていない。
これをもってして、自民党はもはや壊れていると言って良いだろう。
し
かし、新しいマニュフェストを提示する前に、前回自民党が示したマニュフェストがどこまで実現できているのかを検証する必要もあると思うけれど、信じられ
ないことに、絶対多数を得た前回選挙で自民党はマニュフェストらしいマニュフェストを出していない。郵政民営化を実現すれば、すべてはうまくいくという合
理性を欠く主張に乗せられたことに対して、国民は大いに反省をするべきである。
次の選挙では民主党が第一党となり、民主党を中心とする政権ができるだろう。
私はそれを歓迎する。待ち焦がれていたと言ってもいい。
少数政党はあった方がいいと思うけれど、基本的には2大政党が、緊張感の中で、オープンにお互いの政策をぶつけあっていくのがいい。
多くの国民はそれを望んでいるのだと思う。民主党にやらせてみようというのは、そのはじめの一歩だ。
ところが、どうも、私たちは、望んだとおりにはならないのではないかという危惧を感じている。
ひとつは、今日以降、野党が国会審議を行わないという姿勢を示していることだ。
採決されていない法案の中には、国連安保理の決議に基づいた船舶検査法がある。
これが議論されない(報道されない)ことは、国民が国際情勢を認識する機会を奪うことになるし、廃案になることによって、失うものは大きいように思う。
民主党が政権交代を第一に掲げるのは理解できる。
しかし、自民党の利益、民主党の利益の前に国民の利益があるのだとしたら、15日以降の審議拒否は正当性があるのだろうか。もう一度考え直して欲しい。
余計なことかもしれないが、言わしてもらうと、私は、政権交替可能な2大政党制を標榜している関係から、ずっと民主党の候補者に票を入れてきた。けれども、候補者個人を見るとはるかに自民党公認候補者の方が魅力がある。
この次の選挙では、コイズミという風に乗った人たちの多くがその議席を失うことになるらしい。
流行り廃りで立法府の勢力図が塗り替わってしまうということに違和感を感じる。
民主党は新しい流れを作って欲しい。
そろそろ、ちゃんとした民主主義社会を作ろうじゃないか。
それには、マスコミの果たす役割は大きいのではないかと思う。
ここでその役割を果たせないと、メディアの主役をインターネットに奪われることになるだろう。
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