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2008年11月21日 (金)

エコ替えに感じる品のなさ

新しい車に買い替えると地球環境にいいのだそうだ。
けど、そう言われて、はいそうですかと車を買い替える人は一人もいないだろうな。
どこの広告代理店の仕事か知らないけれど、提案する方も、それを採用する方も相当ズレているよね。
考えているのは自分たちの利益だけだから、こういうことを臆面もなく言ってしまうのだろう。

「カンバン方式」という生産のやり方は、世界中のメーカーが習いに来るくらい優れた生産方式らしいけれど、毎日小口の配達をしなければならない上に、嵩に かかって買い叩かれる部品メーカーにとってはたまったものじゃない。要するに強い者が弱い者を腕力で従わせているだけの話なんだ。

派遣社員ってのは、便利なものだ。売れる量に合わせて生産をする、生産する量に合わせて量を調整できる。合理的だ。来月から来なくてもいいよって言われた人の生活を考える必要はない。

強い者に弱い者が従わなければならないのは仕方がない。
けれども、強い者は弱い者があっての強い者で、圧倒的に多い弱い者がいなければ成立しない。
だから、強い者は弱い者に配慮しなければならないのだけれども、「市場原理」とか言い出した強欲な分からんちんがいて、弱い者たちを放り出してしまっても社会が成立するように勘違いしてしまったのだな。

トヨタ奥田氏「厚労省たたきは異常。マスコミに報復も」
トヨタ自動車の奥田碩取締役相談役は12日、首相官邸で開かれた「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」で、テレビの厚労省に関する批判報道について、 「あれだけ厚労省がたたかれるのは、ちょっと異常な話。正直言って、私はマスコミに対して報復でもしてやろうかと(思う)。スポンサー引くとか」と発言し た。
同懇談会は、年金記録や薬害肝炎などの一連の不祥事を受け、福田政権時代に官邸に設置された有識者会議で、奥田氏は座長。この日は12月の中 間報告に向けた論点整理をしていた。奥田氏の発言は、厚労行政の問題点について議論された中で出た。「私も個人的なことでいうと、腹立っているんですよ」 と切り出し、「新聞もそうだ けど、特にテレビがですね、朝から晩まで、名前言うとまずいから言わないけど、2、3人のやつが出てきて、年金の話とか厚労省に関する問題についてわんわんやっている」と指摘し、「報復でもしてやろうか」と発言。
さらに「正直言って、ああいう番組のテレビに出さないですよ。特に大企業は。皆さんテレビを見て分かる通り、ああいう番組に出てくるスポンサーは大きな会社じゃない。いわゆる地方の中小。流れとしてはそういうのがある」と話した。
他の委員から「けなしたらスポンサーを降りるというのは言い過ぎ」と指摘されたが、奥田氏は「現実にそれは起こっている」と応じた。
asahi.com 2008年11月12日21時7分)

強い者の勘違いはもう取り返しのつかないところまできていて、「エコ替え」なんていうのは、そのひとつだと思うけれども、いい年をした財界の重鎮が(マス コミに問題がないとは言わないけれど)金の力を背景に、マスコミにも言うことを聞かせてやろうなどと言ってはばからないのは、ちょっと度が過ぎている。

品のない奴らばかりが幅をきかせている(強い者になっている)社会ってのは、やっぱりチェンジが必要なんだろうな。

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2008年11月 9日 (日)

小室サウンドを締め出す「業界」に未来はない

ラジオ、有線、カラオケ…締め出し“小室サウンド”
著作権譲渡をめぐる大阪地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された小室哲哉(49)。なぜ、一時代を築くほどのミリオンセラーを連発しながら、お金に困るほど飽きられていったのか。その軌跡を追った。
小室の逮捕を受け、首都圏のラジオ各局は“小室サウンド”を軒並み締め出しにかかった。
TOKYO FMは小室自身が演奏する曲はもちろん、安室奈美恵やTRFなどへのプロデュース曲のオンエア見合わせを決定。ニッポン放送も小室曲のオンエアを控えている。有線大手の「USEN」もリクエスト受付を取りやめた。カラオケもPVの配信中止となりそうだ。
半面、CDの発売中止を受けて、ネットでは注目度がアップ。動画投稿サイトYouTubeの「急上昇ワード」ランキングでは、6日午前5時40分の時点 で「華原朋美 小室哲哉」が8位。前日にはKEIKO、globeもそれぞれ14、16位にランクインする皮肉な結果となっている。
日本の音楽界で一時代を築き上げた小室サウンドの盛衰について、音楽評論家の富澤一誠氏は、こう語る。
「彼の曲は結論ありき。聴く側がどういう歌を歌いたいか、徹底的に調べ出口を固めたんです」
通信カラオケの普及がヒットを後押しした。
「1980年代、盤だったレーザーカラオケは新曲が歌えるようになるのに1カ月ほど時間がかかった。90年代に入ってすぐ歌える通信カラオケが出たことで、すぐ歌える曲を作れば売れると考えたんでしょう」
trf、篠原涼子、華原朋美らに楽曲を提供。ミリオンを連発した。
「歌手がうますぎるとカラオケを歌う人がいやになる。朋ちゃんなら、私の方がうまい、と思わせるものを作ったことも見事だった」
当時の小室ファミリーの曲は高音のものが多い。これにも小室の絶妙な計算が働いていた。「素人が歌うには、キーが高い方がいい。中低音の曲は歌のうまさがハッキリと分かりますから」(大手レコード会社スタッフ)
ところが、途中からビジネスマン・小室の計算がズレ始める。少子高齢化などでカラオケ人口が減少。「聴く側も人工ではなく、本物のダイヤが欲しくなってきた。そこに宇多田ヒカルやMISIAなどが出てきた」と富澤氏。
香港進出も音楽プロデューサーとして、タイミングを見誤った。
「同じお金を掛けるなら、アメリカやヨーロッパにしないと。日本より物価が低いアジアで商売をしてもビジネスにはならない。海賊版が出て権利関係も良くないのだから…。結局、クリエーターと経営者の両立は難しいということでしょう」(中堅プロダクション幹部)。
YouTubeでの裏人気復活は、若いころカラオケで脳裏に焼き付いた“時代のあだ花”なのか。
(夕刊フジ 11月6日17時0分配信)

時代の寵児だった男の転落劇。
メディアにとっては、格好の話題なんだろうな。
彼らはいつも、自分たちのために、必要以上に持ち上げ、必要以上に貶める。
ネタとして消費し、捨てて省みない。

「何が彼をそうさせてしまったのか」・・・そういう惹句ではじまるビデオは、全盛期の彼と転落した彼を対比して見せているに過ぎない。
そこにあるのは、考察ではなく、負の感情を煽るものでしかない。こういうものは、緊急経済対策と同じように何の役にも立たない。

寄生している評論家がマスコミの台本に沿ったコメントを出すのは仕方がない。彼らだって喰わなければならない。
けれども、音楽制作の現場にいる者が、マーケティングの立場から小室さんの楽曲について、したり顔で語るのはどうだろうか。

音楽制作の現場にも当然マーケティングはあるだろう。しかし、マーケティングと創作とは次元の違うものだということも彼らは知っているはずだ。
売れそうな音楽の傾向を知っていることと、それを創り出すこととの間には天と地ほどの開きがある。

仮に相手投手の投げてくる球種が分かったところで、打つのは選手だ。ベンチは送りバントのサインは出せてもホームランのサインは出せない。
球種を予測できたベンチは相当優秀かもしれないけれど、その先の仕事はそれ以上に優秀でなければできない仕事だ。

小室哲哉さんが極めて優秀なアーチストであった(ある)ことは間違いない。
異論はないだろう。

もちろん彼の犯した罪は罪だ。償わなければならない。
しかし、どう考えても、だから彼の楽曲をスポイルするべきなんだということになるのが分からない。

亡くなった私のボスの友人だったIT企業の社長から電話があり、酒を飲みに行った。
社長が今考えている新しいサービスのコミュニケーション戦略について話しながら、酒を飲んだ。
酒が回ってくると、話はあちらこちらに散らかりはじめた。
ふと小室哲哉さんの話になった。
「彼の作品にエバーグリーンと言える作品はあるの?」
「渡辺美里が歌ったMy Revolutionはどうでしょうか。86年の作品です。あれは小室さんの作曲です」
「あぁ、あれはいいね」
「小室さんが世に出るきっかけになった楽曲ですね。カバーしている人もたくさんいます」
「小室さんが何をしたのか、よく分からないけれども、そもそもアートというのものは、色んな意味で罪深いものだ。彼の今後に期待しようじゃないか」

良識派(エセも含めて)ばかりになったら、きっと世の中は生きるに値しないものになるんだろうなと思う。

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