中田英寿さんの敗訴確定
キス写真掲載、賠償求めた中田英寿さんの敗訴確定
元サッカー日本代表の中田英寿さん(29)が、女優の宮沢りえさん(33)とキスをしている写真を「週刊現代」に掲載されてプライバシーを侵害されたとして、発行元の講談社などに損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は21日、中田さん側の上告を退ける決定をした。
講談社側に120万円の支払いを命じた1審・東京地裁判決を取り消し、中田さんの請求を棄却した2審・東京高裁判決が確定した。
(読売新聞) - 9月21日19時38分更新
SHINJOが好きか嫌いか。私は好きだ。
彼はその過剰ともいえる演出や奇抜な行動で注目を浴びてはいるけれども、アスリートとしても1級品だ。
プロ野球はショービジネスだ。彼はそれに徹しているように見える。
彼はそのショーマンシップばかりが取り上げられるけれど、プロスポーツの世界は、それだけで生きていけるほど甘い世界ではない。前提として、アスリートとして1級品でなければ、生き残ることはできない。彼の肉体や技術が1級品でなくなったとき、どんな演出があっても、演出があればあるほど、プロ野球ファンはそっぽを向くだろう。基本はアスリートとしてどうかということだ。彼はそれを知っている。……と思う。
スポーツジャーナリズムはどうか。野球に関しては、故山際淳二さんの「江夏の21球」をはじめとするレポートがある。故佐瀬稔さんのレポートも秀逸だった。しかし、ハンカチ王子騒動に象徴されるように、メディアは別の側面を取り上げすぎるように思う。
ボクシングの亀田興毅選手は(いろいろと批判はあるが)世界チャンピオンである。アスリートとしては1級品だ。某局の姿勢がむしろその存在を貶めているように私には思える。
ファンはゴシップを伝えてもらいたいのではない。行き過ぎた演出もいらない。極端なまでに磨き上げた肉体や技術、それを支える精神を伝えてもらいたいのだ。
で、中田さんの敗訴だけど。
地裁が講談社側に賠償を命じているのだから、法的解釈としては微妙なのだろう。
法は何のためにあるのだろう。
そこには、お互いが気持ちよく生活するための知恵がなければならないのではないだろうか。
中田さんは(元)サッカー選手。宮沢さんは女優。どちらも有名人で、少なからず個人の意見や生き方が社会に影響を与え得る立場にある。しかし、彼らが恋仲になろうが、どうなろうが、キスをしようが、何をしようがそれは彼らの勝手であって、メディアが紙数を割いて紹介するべきものではないと私は思う。いや紹介するメディアがあっても別にいいのだけれど、キスをしている写真を掲載するのは、明らかに行き過ぎで、明らかにプライバシーを侵害しているのではないだろうか。
ゴシップや派手な演出ばかりで、存在意義を見失ったメディアに「ジャーナリズム」という言葉を語る資格はない。
メディアが多様化している現在、特権意識に凝り固まって、その存在をどんどん軽くしているメディアは、淘汰されていくだろう。
だって、居酒屋で語られている野球談義の方が私にとっては上質だもの。まずは一流のアスリートに敬意を表するところからはじめてはどうかと思う。
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